五色と二次の海につかる、日記

俳優/劇作家/アニメライターの細川洋平による日記・雑記です。

2017年明けてもう2週間。

年が明けてもう2週間も過ぎてしまいました。

何やってんだろ、と思うところもありつつ、それなりに仕事を進めつつ、今年は特に正月気分も味わわず、実家に一泊したあとはほぼ平常運転でした。

6日には所属事務所の新年会があり、毎年変わらない役者さんたちや久しぶりな方、初めましてな方たちと飲み、それから少しずつ小さい子が増えていたり大きくなっていたりするのを見て(今年は小さい子は2人だったけど)、うむ、時は経っているのだなと思うひととき。

ライターをはじめてから、大きく変わったところもあるし、変わらなかったところもある。大きいのは立ち位置の変化ですが、そうでない変化もちょこちょこあります。そういういちいちの変化を事あるごとに見つけて、「あ、ここ変わってないなあ」とか「前はこんなじゃなかったな」と再発見して行くのも最近は楽しいです。

年をとるのもいいものです。しかしいつまで経っても周囲との年齢差は変わらないなあ。小さい頃は姉をいつか年齢的に追い抜くと思っていたのに。

2017年最初の映画は「ドント・ブリーズ」でした。最高フゥ〜!

いつからかホラーやサスペンスが好物になっていて、昔はあんなにビクビク見ていたのに、今ではワクワクしかないというか、怖いシーンで「キタ〜!!」と心中で叫ぶようになっているのはもはやスクリーンの出来事はスクリーンの出来事として見ているのかもしれません。

逆にアニメは全てが虚構とわかっているから却って没入するのかな? もともと遠くにあるものを手繰り寄せる作業をしているからなのでしょうか。ということで2017年2本目の映画は「傷物語〈Ⅲ 冷血篇〉」でした。贅沢な劇場体験。色々書きたいこともありますが、もう少し脳内で味わってみることとします。

今、コンビニで買った野菜スティックを食べています。これは「野菜を採った」に入るのでしょうか。あと飲むヨーグルトを飲んでいます。ヘルシー。

読んでなかった名著(と呼ばれるもの)たちをちまちまと読んでいます。主にSF。以前書評家の杉江松恋さんがSNSで同時に3冊読むのがいい、という話を書いていて、とてもよかったので、おぼろげな記憶を元に書いておきます。

それは「(A)読む難易度が高い挑戦本」「(B)読みたい本(小説)」「(C)エッセイなどの平易な本」だったかを同時に進めて行くという方法です。Aを読んだらBを読んで、Cを読んで、またAを読んで−−、と進めます。読むペースはAの場合、まずは1ページ。次回は2ページ、さらに次は4ページと読むたびに倍にします。Bは3ページずつ読む。Cは章ごとに読む。これをA→B→C→A→B→Cと進めて行く。当然進めば進むほどAのページは増えて行くわけです。でも、難解な本というのは入り口が苦しいだけで、読むリズムに慣れてくれば意外と進むもの、だからオススメです、と書いていました。なるほどと思ったものです。Cは章ごとで合ってたかな、どうだったかな。Aも章が変わったらまた元に戻るんだっけかな。

要は、その本を読むためにはその本固有のリズムを身につけないといけないけど、寄り道しながら身につければいい、みたいなことだったと意訳的に記憶しています。実際読みはじめて「あ〜、これ全然頭に入んない」という本でも、数ヶ月〜数年放置した後にふと読み始めるとスイスイ読めちゃうことがありますが、そういうのをもっと意識的にやろう、と。

当時、早速やってみました。難しい学術本と小説とエッセイで。すごくよかったです。気分転換にもなるし、全然苦しくないし。今? ええ。またやってみます!

今週が急に押し寄せる感じがありますが、一歩一歩行くしかないようです。

ジブリの機関誌「熱風」2017年1月号は橋口亮輔監督のインタビューと保田道世さんの追悼特集が掲載されています。

橋口監督は大好きな監督さん。とても興味深く読みました。映画界に対する問題意識や決意などを語っていました。「映画であれば、そのままを見せるのではなく、登場人物に筋道をつけなくてはいけない」という言葉はズシンときました。また、『君の名は。』や『この世界の片隅に』をご覧になってからの感想も聞いてみたいです。

保田さんは東映動画時代からの宮崎駿さんや高畑勲さんの朋友。両名の寄稿が読めるのですが、それぞれの物事の捉え方や消化の仕方をよく現しているようで、また非常に心に染み入ります。

ラジオ「ジブリ汗まみれ」(Podcastもあります)でも保田さんの追悼回があり、宮崎さんや高畑さんをはじめ元ジブリの同僚たちの言葉が聴けるのですが、「生の声」ということもあり締め付けられるようで。

「ローグ・ワン/SW」で主人公ジン・アーソの父が亡くなるシーンがあるのですが、そこの演技はもっと、ジンの中の何もかもがぐちゃっとなるのが見たかったなあと見ながら。そういう時には自分のことも考えるし、いろんなことを考えるものです。

「いく」という言葉。どこか遠くへ。という感覚。二度と会えない。という感覚。

「ローグ・ワン」と言えばチアルート&ベイズのコンビはすごくよかったですね。オタクというか、何かを信じるとか好きという気持ちってあそこまで行けるんだなあと胸を打たれました。

この辺で。