五色と二次の海につかる、日記

俳優/劇作家/アニメライターの細川洋平による日記・雑記です。

2017年振り返り。

今年はいろいろなことに挑戦させていただけた年でした。

まずライターのお仕事をふりかえると、

●「リトルウィッチアカデミア クロニクル」
●「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?公式ビジュアルガイド」
●「劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール PRODUCTION BOOK」
●「THE DOCUMENT OF 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 弐」
●「CharaBiz DATA 2017(16)」
●「〈物語〉Febri」
●映画「虐殺器官」パンフレット/パッケージブックレット
●「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」公式ガイドブック
●「月刊Newtype
●「Febri」
と、紙媒体ではアニメ関連のお仕事にがっつり関わらせていただきました。「CharaBiz DATA 2017(16)」はアニメビジネス関連でいくつかの会社に取材を行い、1年の総括という貴重なお話をうかがうことができました。
どの本もお手に取った方にはたのしんでいただければと思っています。

WEBメディアでは、

●「アニメ!アニメ!」にて、多岐に渡るアニメクリエイターのインタビューやイベントレポなど。
 どの取材も大事なものになりましたが、特に湖川友謙さんインタビュー、原恵一監督インタビュー、米林宏昌監督インタビュー、「KUBO」アニメーションスーパーバイザー、ブラッド・シフさんインタビューなどは印象的でした。
●「WebNewtype」にて、「宇宙パトロールルル子」「幼女戦記」特集やイベントレポなど。
をたっぷり担当させていただきました。
今でもアクセスしやすい状態でアーカイブされていると思いますので、ぜひぜひご一読ください。

続いて、役者の方を振り返ると、

●味わい堂々「10周年記念公演『たまご祭』」の1日ゲスト出演。

あ、公演がらみだとこのくらいでした。やらなすぎてマズい……。
来年はもう少し機会を増やしたいと思っています。
その際にはぜひ、見に来ていただきたいです。

●ライブ久々にやりました。「うたう知人の会」呼んでいただきました。
ベースにリボルブ方式の田中嘉治郎さん、ドラムに親族代表の竹井亮介さん、キーボードは学生時代以来の腐れ縁・村上寿子と。
新曲がやりたい!と思って、スケジュール的にも無理言って元曲から3人にアレンジしてもらいました。
またやりたいな。

最後に、17年に鑑賞したお芝居や映画、アニメ、本で深く心に残った作品をいくつか。

・「ゲームの王国」(上・下巻/小川哲)
 ポル・ポト政権前後、暗黒の時代を下敷きに、少年と少女の数奇な出会いと人生を描いた物語で、非常に感銘を受けました。今後の人生の折々で再び手に取っていきたいなと思っています。

・「勉強の哲学 来たるべきバカのために」(千葉雅也)
 ドゥルーズやメイヤスー研究などで活躍している哲学者・千葉雅也さんの著作。勉強することでスーンとなっちゃう自分をもうちょっと振る舞いから考えなおしませんか? といった本(だった気がします)。

・「パターソン」(細川17年ベスト映画です)
 映画です。ジム・ジャームッシュ最新作。僕にとって今年のベスト映画でした。日常と非日常が絶妙にブレンドされている中に、抑制の効いた演出と遊び心とおかしみの溢れた画面。出会えてよかったです。

・「パッセンジャー
 映画です。ジェニファー・ローレンスクリス・プラットが主演するSF。クリス・プラットが冒頭で行うある行動をどう見るかで作品の評価が大きく変わりそうですが、僕はさもありなん、という風に見たのでグッと引き込まれました。2人の心の通じていく様子など、深く感じ入るものがありました。というか、オチの付け方含めめちゃめちゃ好きな作品です。

・「22年目の告白 ―私が殺人犯です―」
 入江悠監督作品。とにかくおもしろかったです。キャスティングから仕掛けから、細心の注意を払われて上映された上、見る者をあっと言わせる。最高でした。

・「ちょっと、まってください」
 ナイロン100℃公演。評判もよかったようですし、周りの皆さんからも絶賛の声でしたが、改めて、こんな演劇を作れる集団であることの凄みや役者ひとりひとりの表現力に痺れました。

・「三月の5日間」リクリエーション
 チェルフィッチュの代表作とのことでしたが、僕は初見でした。今回オーディションで集めた20代のキャストのために新たにリクリエーションしたとのこと。百聞は一見にしかず、言語がリアルタイムにアップデートされている感覚を受けるというか、序破急や起承転結、枷といった作劇上のテクニックを用いず(それに当たるものはあるのかもしれませんが)、見ている人間にこれほど"何か"を喚起する作品とは。

・「ブレードランナー2049」
 映画です。この続編を作ってしまった制作陣に感謝。「この続編を作ってくれてありがとう」と感謝するのはあとSW8なわけですが、「2049」では静謐な画面と、はかないレプリカントの物語には心が大きく揺さぶられました。K=ぼくらのことでしょ、というのは置いておいても長く愛したくなる作品です。

・「新感染 ファイナル・エクスプレス
 映画です。韓国発のゾンビ映画ですが、役者が良すぎた……。とにかくエモーショナルで、ゾンビ好きには見てもらいたい!

・「ベイビー・ドライバー
 映画です。エドガー・ライト監督作品。冒頭のジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンでぶっ飛ばされてからは音楽とカット割りの快感に身を委ねるだけというか。四の五の考えずにたのしかった。

・「ラ・ラ・ランド
 映画です。ずーーっとサントラ聴いてました。大好き。

・「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.2」
 父と子の物語として刺さりました。「ベイビー・ドライバー」同様、冒頭のエレクトリック・ライト・オーケストラMr. Blue Sky」が流れた時にノックアウトって感じです。

・「スター・ウォーズ/最後のジェダイ
 見てる最中も、後々もつっこみが心に浮かんでくるのですが、その都度、それを大きく上回る画面力と展開に完全に振り回され、「え?え?え?え?」と心の中で何度狼狽えたことでしょう。最高。画面作りやアングルといったところはJ.J.に劣るかも知れませんが、こういう歪な作品を愛してしまう自分が……。

・「足跡姫」NODA・MAP
 野田さんの心意気というか、やっぱすごいなあと感じた次第です。

・「そろそろセカンドバッグ」フロム・ニューヨーク
 どんどん高みへ登っていく3人のハーモニーが最高なんです。次回は客演交えてということでどんなものになるのかこれまた予想つかず!

・「紙の動物園」ケン・リュウ
 短編集。文庫二分冊されたものです。作中や解説でもテッド・チャンへの言及があったところも加えて胸に多くのものを残してくれました。

他にも特に舞台はかなり観劇したので、ここに書き切れずです。とにかくどれも刺激に溢れていて改めて舞台っていいなあと思えました。

アニメはまた改めて書ければと思います。

来年はもっと自分が発信できるように。がんばります。
来年もよろしくお願いします。

5色の海(その1)

迫りに足をかけ、ひょと飛び乗った。

頭上にある四角い枠の天井。その向こうからはOvertureのリズムに合わせて"観客”たちの怒号が聞こえる。"怒号"というのは比喩ではない。
「やっちゃるでい」
キ、とまゆ毛に力を入れカナコはつぶやいた。昇降の合図がイヤーモニターから届く。舞台監督の声は極端に鼻声で、聞く度に脱力してしまう。でも開演数秒前のこのタイミング、力を抜いたら命に関わる。カナコは腔内で「あーー」と声を出し舞台監督の鼻声を消した。
「10秒前、9、8、(あーーーーーーーーーーーーー)!」
失敗したと気づいたのはステージに舞い上がったとき。カウントダウンも掻き消してしまったのだ。空中で和風の衣装をはためかせながら、カナコは息を吸い込みマイクに向かって叫ぶ。

「かかってこーーーい!」

左から2発、右から2発、次々と空中に射出される音が聞こえる。もちろんカナコの同志がステージに姿を現したと言うことだ。
ズーンと胃に響く爆音。Overtureはクライマックスだ。観客へ向かって自己紹介の時間だ。
「カナコの赤はぁ?!」
「「「「鮮血の赤!!」」」」
力強いメンバー4人からのコール。5人の声が合わさる。
「私たち、5色の海アイドル、オーシャンクローバー隊です!!」

"客席"と呼ばれるフィールドとカナコたちが舞い踊るステージを隔てている防護壁が不穏な泣き声を上げる。押し寄せる"観客"の圧力によって軋んでいるのだ。
イヤモニにコードネームkwkmの声が届く。"観客"数がこれまでのライブとは比べものにならないほど多いという。代々木PARKでパフォーマンスしていた頃が懐かしい。カナコは少しだけ感傷に身を浸した。
"客席"のあちこちから爆煙が上がる。カナコの歌声を感知した量子爆弾が次々と閃いている。"観客"の四肢がそこかしこで花開く。カナコの足元に"観客"の頭部がべちゃりと落ちた。目が合った。「カ、カナコ……」そう聞こえた気がした。もちろんそれは気のせいだ。"観客”が地球言語を発するはずがないのだ。
「神聖なステージを汚さないでっ!」
カナコはサッカーボールを扱うように"観客"の頭部を蹴る。"会場"の重力は地球上の2分の1に設定されているため、"観客"の頭部はあっという間に10数メートル飛び上がり、放物線を描きながら蠢く"観客"の中へ消えていった。

9nine「Summer Live 2017 Excelsior!!」夜公演のつれづれ

8月26日(土)は9nineの「9nine Summer Live 2017 Excelsior!! 」夜公演「-CARNIVAL-」を見に行きました。

取材でご一緒した時の4人の人柄にすっかり魅了されてしまったのが大きなきっかけで、直後にチケットを購入。人生初の中野サンプラザ9nineで体験することになりました。関係者席でライブを拝見させていただくことも多くなってきましたが、やっぱり現場の温度感をヒシヒシと感じられる客席が好きです。

細かい感想はまた追い追い書きたいのですが、ライブで実感したのはライブパフォーマンスの完成度の高さと楽曲の良さ、そして音のバランスの良さ。

メンバーのダンスもすばらしいクオリティー。ただ、それだけではなくチーム全体の熱量も高くないと実現できないよなあと感動しました。

最新シングル「SunSunSunrise」は楽曲の強さもありつつ、ライブ映えのする曲ですね!ダンスがメチャクチャかっこいい!!音圧もビンビン伝わるPAさんの調整だったからか、ビートがとても心地よい!しかも夜公演では同楽曲がEDとなるTVアニメ「THE REFLECTION」にちなんでヒーローの衣装で登場。スーパーヒーローの仮面を付けて4人が踊っていたのですが、超COOOOOOL!!!

僕の座席は会場でも最後方。メンバーの表情もそこまで見えないものの、はじまってしまえばそんなことは全然問題にならないくらい盛り上がりました。ライブ後半には9nineの更なる高みへの決意を述べたExcelsiorなMCからの「SHINING☆STAR」で目から汗が。TVアニメ「スタードライバー」のOP曲で大好きな曲です。この曲の時に改めて、5人から4人になったんだよなあと実感しました。それは単純な数字の問題ではなく、振り付けやボーカルのパート割などを既存曲は全て当たり直すということ。もちろん現体制になって一年経っていますから十分なリハーサルは積んできているのだろうとは思いますが、それでもちゃんとワンマンライブのステージで自信を持って披露できるまでに持って来たというのは当たり前だけどすごいなあと思ったわけです。

9nineの4人が少なくない困難を乗り越え、サンプラザのステージで全力のパフォーマンスを見せてくれている「今」があるのは、4人それぞれの覚悟があったからなのでしょう。

明るさと元気、それから大人っぽさもある。

かんちゃん、ヒロロ、ちゃあぽん、うっきー。4人の個性も生き方もバラバラなのに、9nineとしてステージに立つとそれぞれの存在が際立っていながら「ああ、ひとつのグループなんだな」と腑に落ちる力強さ。

笑顔で歌っていても、真剣に歌っていても、ふざけていてもアイドル。その4人のパフォーマンスを最初から最後までずっとたのしませてもらいました。

たっぷり2時間ちょい。終わってから久しぶりに浴びたパワーの源を受け止めて消化するために30分あまり1人で喫茶店でぼーっとしてしまいました。

「-祭-」(昼公演)と「-CARNIVAL-」(夜公演)で大きくセットリストを変えていたとのこと。その分メンバーの負担も大きかったと思いますが、それだけ中野サンプラザライブにかけた意気込みも大きかったということ。それを目の当たりにできたことがうれしかった。

次回ワンマンライブが2017年12月26日Zepp Tokyoと発表されました。そう、9nineのライブはオルスタでより映えると感じたので、また行きたいなあ。

ちなみにライブ中盤ではバラエティ番組「浅草ベビ9」よりバイきんぐの小峠さんと、お客さんとして遊びに来ていたというよゐこの濱口さんが飛び入り参加。小峠さんは散々9nineをイジリ倒していましたが、ぶっきらぼうだけど愛も感じてちゃんと落とすツッコミに「さすがだわ……」と感動しました。

総じていやあ、大変によかったです。

2017年明けてもう2週間。

年が明けてもう2週間も過ぎてしまいました。

何やってんだろ、と思うところもありつつ、それなりに仕事を進めつつ、今年は特に正月気分も味わわず、実家に一泊したあとはほぼ平常運転でした。

6日には所属事務所の新年会があり、毎年変わらない役者さんたちや久しぶりな方、初めましてな方たちと飲み、それから少しずつ小さい子が増えていたり大きくなっていたりするのを見て(今年は小さい子は2人だったけど)、うむ、時は経っているのだなと思うひととき。

ライターをはじめてから、大きく変わったところもあるし、変わらなかったところもある。大きいのは立ち位置の変化ですが、そうでない変化もちょこちょこあります。そういういちいちの変化を事あるごとに見つけて、「あ、ここ変わってないなあ」とか「前はこんなじゃなかったな」と再発見して行くのも最近は楽しいです。

年をとるのもいいものです。しかしいつまで経っても周囲との年齢差は変わらないなあ。小さい頃は姉をいつか年齢的に追い抜くと思っていたのに。

2017年最初の映画は「ドント・ブリーズ」でした。最高フゥ〜!

いつからかホラーやサスペンスが好物になっていて、昔はあんなにビクビク見ていたのに、今ではワクワクしかないというか、怖いシーンで「キタ〜!!」と心中で叫ぶようになっているのはもはやスクリーンの出来事はスクリーンの出来事として見ているのかもしれません。

逆にアニメは全てが虚構とわかっているから却って没入するのかな? もともと遠くにあるものを手繰り寄せる作業をしているからなのでしょうか。ということで2017年2本目の映画は「傷物語〈Ⅲ 冷血篇〉」でした。贅沢な劇場体験。色々書きたいこともありますが、もう少し脳内で味わってみることとします。

今、コンビニで買った野菜スティックを食べています。これは「野菜を採った」に入るのでしょうか。あと飲むヨーグルトを飲んでいます。ヘルシー。

読んでなかった名著(と呼ばれるもの)たちをちまちまと読んでいます。主にSF。以前書評家の杉江松恋さんがSNSで同時に3冊読むのがいい、という話を書いていて、とてもよかったので、おぼろげな記憶を元に書いておきます。

それは「(A)読む難易度が高い挑戦本」「(B)読みたい本(小説)」「(C)エッセイなどの平易な本」だったかを同時に進めて行くという方法です。Aを読んだらBを読んで、Cを読んで、またAを読んで−−、と進めます。読むペースはAの場合、まずは1ページ。次回は2ページ、さらに次は4ページと読むたびに倍にします。Bは3ページずつ読む。Cは章ごとに読む。これをA→B→C→A→B→Cと進めて行く。当然進めば進むほどAのページは増えて行くわけです。でも、難解な本というのは入り口が苦しいだけで、読むリズムに慣れてくれば意外と進むもの、だからオススメです、と書いていました。なるほどと思ったものです。Cは章ごとで合ってたかな、どうだったかな。Aも章が変わったらまた元に戻るんだっけかな。

要は、その本を読むためにはその本固有のリズムを身につけないといけないけど、寄り道しながら身につければいい、みたいなことだったと意訳的に記憶しています。実際読みはじめて「あ〜、これ全然頭に入んない」という本でも、数ヶ月〜数年放置した後にふと読み始めるとスイスイ読めちゃうことがありますが、そういうのをもっと意識的にやろう、と。

当時、早速やってみました。難しい学術本と小説とエッセイで。すごくよかったです。気分転換にもなるし、全然苦しくないし。今? ええ。またやってみます!

今週が急に押し寄せる感じがありますが、一歩一歩行くしかないようです。

ジブリの機関誌「熱風」2017年1月号は橋口亮輔監督のインタビューと保田道世さんの追悼特集が掲載されています。

橋口監督は大好きな監督さん。とても興味深く読みました。映画界に対する問題意識や決意などを語っていました。「映画であれば、そのままを見せるのではなく、登場人物に筋道をつけなくてはいけない」という言葉はズシンときました。また、『君の名は。』や『この世界の片隅に』をご覧になってからの感想も聞いてみたいです。

保田さんは東映動画時代からの宮崎駿さんや高畑勲さんの朋友。両名の寄稿が読めるのですが、それぞれの物事の捉え方や消化の仕方をよく現しているようで、また非常に心に染み入ります。

ラジオ「ジブリ汗まみれ」(Podcastもあります)でも保田さんの追悼回があり、宮崎さんや高畑さんをはじめ元ジブリの同僚たちの言葉が聴けるのですが、「生の声」ということもあり締め付けられるようで。

「ローグ・ワン/SW」で主人公ジン・アーソの父が亡くなるシーンがあるのですが、そこの演技はもっと、ジンの中の何もかもがぐちゃっとなるのが見たかったなあと見ながら。そういう時には自分のことも考えるし、いろんなことを考えるものです。

「いく」という言葉。どこか遠くへ。という感覚。二度と会えない。という感覚。

「ローグ・ワン」と言えばチアルート&ベイズのコンビはすごくよかったですね。オタクというか、何かを信じるとか好きという気持ちってあそこまで行けるんだなあと胸を打たれました。

この辺で。

さようなら2016年

はてなブログに引っ越しをしてから、アクセス解析という機能が付き、どんなエントリが読まれているのか統計で出されているのを見ていると、どうも「亡念のザムド」について書いたものがちょくちょく読まれているみたい。ありがとうございます。

さて、2016年も大晦日。終わってしまうのか。ということで1年の総括を。

【俳優・劇作活動】

CMに4本出演。ラジオCM出演。

ほろびて『雲と太陽のみち』上演・作・演出・出演(映像などなど)

味わい堂々『枯山水』(作・演出:池田鉄洋さん)に客演。

リボルブ方式『夢の途中』で演出補佐的なお手伝い。

映画『グッドモーニングショー』にちょっと出演。

めがねの味わい(脱力系4人組バンド)としてライブ出演。

【ライター活動】

月刊Newtype(『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』、古田丈司監督インタビュー、HAOLINERSタイトル等々)。

WebNewtype(『宇宙パトロールルル子』等々)

アニメ!アニメ!(『モブサイコ100』、あにめたまご2016、『プラネタリアン』、『甲鉄城のカバネリ』、『GANTZ:O』、『機動戦士ガンダム ジ・オリジンⅣ』等々)。

アイドルマスターシンデレラガールズ ビジュアルファンブック』でグッズ紹介のページ執筆。

シュヴァルツェスマーケン』イベントパンフレット(渡邊監督×脚本樋口さん×原作内田さん座談会/音楽タシロさん×エヴァンコールさん対談 取材・構成)

双星の陰陽師』イベントパンフレット(田口監督×五十嵐副監督×脚本荒川さん座談会 取材・構成)

Febri vol.33(『傷物語Ⅰ 鉄血篇』ライター座談会で藤津亮太さん、前田久さん、宮昌太朗さんとお話しさせていただきました)

某レーベルのリリース作成。

などなど。

不安だったライターのお仕事がなくなることなく、今年も1年来られたことに大変感謝しています。各作品や取材に協力いただいた方のお名前も全て載せたいところですが、別の機会に譲ります。

俳優業、特に舞台との両立をどう保つか、という部分でいろいろと反省点も生まれました。関わっている数はぜんぜん違うのですが。

舞台は稽古期間が1ヶ月ほど。その期間は周りがあまり見えなくなってしまうので、この視野を広げたいなあというのと、考える領域を分ければいいのでしょうけど、そこがいまだにうまく確立でいていないというところで。

それにしても、俳優の活動を少しでも続けていられるのは一瞬でも僕を思い浮かべてくれる方々のおかげです。ほんとうにありがたいです。

今年はアイドル現場に全く行かず、ネットで動向を見守る期間でした。上半期に1番聞いたアイドルCDはアイドルネッサンス「アワー・ソングス」でした。2番目はBiSH「FAKE METAL JACKET」。

下半期はアイドルソングをあまり聞いてないです。恥ずかしながら。MUSE清竜人(ソロの方)、宇多田ヒカルを聞いていました。

 

アニメソングは文脈がたくさん絡み合って聞き解くのが難しいジャンルとなりました。作家さんもバラエティー豊かな上、仕掛け人がいろんなモノを入れ込んでくるので、多面的で情報量も多く、さまざまな楽しみ方ができるのではないでしょうか。

アイドルはフィジカルがメインに来るので、ライブを見るとその時その時の到達点がわかる、という点がとても入りやすいと思います。i☆RisやWuGあたりはアイドルと同じ並びで見ることも可能(別の文脈もある)なので聞きやすいなあと思います。

 

背景の物語、というのはBABYMETALの大躍進と、ももクロの成長もあってだいぶ落ち着いてきたのではないでしょうか。僕がのめり込んでいたのはちょうどストーリー絶頂の時期だったので、今の状況は推しやすいかも、と遠目に見ています。

というのも、「ここに行くために努力を重ねている」というストーリーは、諦めや挫折を逆説的に照らし出すことにもなるので、推しメンが涙ながらに抜けるのは、そのアイドルが後の人生の為の選択であっても心が大変痛むのです。(……、この辺は、ヌルい考えだと自覚しつつも)。

だからBiSが再始動すると聞いた時は心がざわついたわけですね。今は遠巻きに見ています。ふと気づくと渡辺さんの手がけるグループがひとつの世界を築いていておもしろいですね。一時期の過激なプロデュースから、もう少し分かりやすい形でのアプローチでアイドルたちに関門を与えるやり方とかは安心します。

今年見た映画で心に残っているものを。DVD視聴もアニメも含みます。

アイアムアヒーロー

『同級生』

KING OF PRISM by PrettyRhythm

傷物語』(「Ⅰ 鉄血篇」「Ⅱ 熱血篇 」)

ズートピア

『ADAMA』(TIAF)

機動戦士ガンダム サンダーボルトDECEMBER SKY』

シン・ゴジラ

君の名は。

『友だちのパパが好き』

『怒り』

『オーバーフェンス』

永い言い訳

『淵に立つ』

この世界の片隅に

映画『聲の形』

最強のふたり

風の又三郎』(あにめたまご2016)

リア王』(NTLIVE)

RWBY』(Volume.1〜3)

『劇場版 艦これ』

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

まだまだあったはずですが、思い出したら追記します。

観劇作品も書き残したいものをここに。

 

シンクロ少女『許されざる者

東京タンバリン『どんてん』

玉田企画『あの日々の話』

鄭義信 三部作 Vol.2『たとえば野に咲く花のように』

マームとジプシー『あっこのはなし』

ロロ『あなたがいなかった頃の物語と、いなくなってからの物語』

イキウメ『太陽』

シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ『8月の家族たち』

連載40周年特別企画 舞台版『こちら葛飾区亀有公園前派出所

木ノ下歌舞伎『義経千本桜—渡海屋・大物浦—』

NTLIVE『リア王

青年団『ニッポン・サポート・センター』

cube presents『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』

葛河思潮社『浮標』

はえぎわ『其処馬鹿と泣く』

世田谷パブリックシアター遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』

M&Oplaysプロデュース『家族の基礎〜大道寺家の人々〜』

同級生演劇部『悪巧みの夜』(途中から観劇……泣)

ジョンソン&ジャクソン『夜にて』(途中から観劇……泣)

リボルブ方式『夢の途中』

ブルドッキングヘッドロック『バカシティ(あかつき編)』

per il mondo『私のかわいそうなマラート』

世田谷パブリックシアターKERA・MAP#007『キネマと恋人』

1万人のゴールド・シアター2016『金色交響曲〜わたしのゆめ、きみのゆめ〜』

 

もちろん他にもたくさん見たのですが、全部に触れることはできず。また、見に行きたくても行けなかった舞台が多すぎて、一時期落ち込んでいました(笑)。ほろびてに来てくださった方の舞台にはできるだけ足を運ぶようにもしていたのですが、ど〜〜〜しても見たい舞台はそちらを優先したり、先だつものの関係だったり。

舞台は豊かだなと改めて確認しました。台本があり、演出がいて、役者が言葉と格闘しながら演じる。スタッフワークもそうですが、どのセクションも能動的。そういう舞台には大きく心を動かされました。感動の大小/種類/深浅はあれ、上に挙げた舞台は全て心に残っています。

数える程ですが、怒りを感じるほど残念な舞台にも出会いました。そういう時に、「悔しい」と思える自分がいることに安心したりもします。

来年もいろいろ見たい。

漫画も。

モディリアーニにお願い』相澤いくえ

恋は雨上がりのように眉月じゅん

『あげくの果てのカノン』米代恭

『アニメタ』花村ヤソ

この世界の片隅にこうの史代

『聲の形』大今良時

『ヤコとポコ』水沢悦子

『夕凪の街 桜の国』こうの史代

モブサイコ100』ONE

辺りは大事な作品たちです。

小説はあまり読めず、

『あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ

『神々の歩法』宮澤伊織

『映画「永い言い訳」にまつわるXについて』西川美和

『最後にして最初のアイドル』草野原々

『最果てのパラディン Ⅰ』柳野かなた

『僕の名はアラム』ウィリアム・サローヤン

などはよかった。

漫画も小説も電子書籍で読む機会が増えてきました。

小説はもっと読みたいなあ。

来年はいい年になりますように。

今年1年ありがとうございました。

『聲の形』を見に行った時の事

先日映画を見に行った時の事。

京都アニメーションによるアニメーション映画『聲の形』を公開からずいぶん日が経ったタイミングで見に行きました。

事前に原作を読んでからの鑑賞だったので、見る前から気持ちは昂ぶっていたのです。
上映前に厳かな気持ちというか、あの原作を山田監督はどうフィルムにするのか、
また、あの重苦しい(悪い意味ではなく)テーマをどう料理するのか、あれこれ考えながら、
ひっそりと席に着き、荷物を座席の下にしまい、上映時間になりました。
上映時間と言いつつ、だいたいはじまるのは予告編ですが、それでも場内は暗くなります。
すると、
隣にサササッと動く影が。
え、うそ、虫? デカくない?!
焦ってバッと横を見ると中腰の人間が、座席の間に隠れながら、僕のすぐそばまで来ていました。
何?!!!
心の中で叫びつつ、小声で「え?」と言うと、影が言いました。

「あの、フィルム交換してくれませんか? 僕集めてて、たくさん持ってるので、ちょっと見せてもらって、交換しませんか?」

何週目かの来場者プレゼントで、生フィルムが配布されていたのです。
僕は荷物も多かったし、開けて確認するほど上映時間まで余裕もなかったので、
もらってすぐにポケットにしまっていました。

僕は、
開けて確認するほど上映時間まで余裕もなかったので
ポケットにしまっていたのです(必死)。
そして今、上映直前の予告編が流れています。

本編は初見だし、今めちゃくちゃテンションも高めていて、これからはじまるショーヤとショーコのヒリヒリする物語にこう、
没入しようと思っていた矢先、

忍の者は立て膝のまま(頭は背もたれより低い位置でキープ)やおらファイルを広げ、
「だいたい揃ってるので」
と数十枚に及ぶ生フィルムを目の前に突き出し始めました。
すごくファンで、何回も見たんだなあ。
と思いながらも……
こっちは初めて見るし、
いつ上映がはじまるかわからないし、上映前の心の準備を妨げられているし、
マジで何なのこの人、
と思いつつ、ポケットにしまっていたフィルムを取りだし、袋から出しました。

「(グイッ)あれ、何だこれ? (マジマジ)……あ、これ持ってないです……」

知らんがな

心の中で叫びつつ、小声で「はあ」と僕がいうと、影は言いました。

「ここにあるやつと交換してください」

ファイルをぐいっと突き出して来ます。
予告編は三つ目くらいになっています。
はじまるっ! いや、知らんけど、知らんけど、間違いなくもうすぐはじまるっ!
少なくとも友人に
「映画はみんなで見るものだから、環境含めて楽しまないと」
と諫められるくらい、面倒くさい僕の意識や集中が、
今はまだ上映に全然向かっていない……。
僕の中に焦りが募ってきます。

あと、ここ数年で気づいたのですが、僕はどうやら鳥目です。
暗いところが非常に弱く、特に映画館などは慣れるまでにものすごく時間が掛かるのです。
つまりファイル、が、見えないし。
加えて、ファイルにはいろんなシーンの生フィルムがあったようですが、

本編を見ていないから、わからない

全然ダメだわ(見えないし)、と思って、僕は立て膝の家来に言いました。
「上映終わってからでいいですか?」

今僕の手元にあるのが向こうが持ってないフィルムなら、上映見て、すごくいいシーンのダブっているフィルムと交換してもらおう、
と思ったわけです。そもそも僕は初見だから、どのフィルムでもいいわけですし。
とはいえ、ランダムで配布されたのでなければ、自分がほしいものと交換したい。

上映が終わってからゆっくり選ばせてほしい、と、提案しました。
予告編は淡々と進んでいます。
焦る。

予告編の音声に紛れて、横から抗議にも似た声が聞こえてきました。

「え、でも、終わったら帰るし……」


……。

みんなそうだと思うよ


影「今じゃダメですか?」
僕「いや、時間ないんで(はじまるし)」
影「あー……」

影は消えていきました。

……。

な、何?!

心の中で叫びつつ、ふぅと小さく息を吐いて、体を起こし、スクリーンに目を向けました。
スタンバイはゼロ時間。上映がはじまりました。


終わって映画館を出るとき、僕に声をかける人はいませんでした。
まあよかったです。
泣いて泣いて目が真っ赤だったから、恥ずかしかったし。

【『聲の形』本編のちょっとした感想】
本編はヨリのショットを多用し、人物や情景を「死んでも撮り逃してなるものか」という意気込みが伝わって来そうなくらい捉え続け、
キャラクターの心情を丁寧に織り上げ、編み上げ、苦しみや悲しみを画面からこぼれ落とす勢いで描き、
歯を食いしばって見つめ続けた後に、一瞬、ロングショットを用いて視界を開かせる。
牛尾憲輔の劇伴がそこにふんわりと、美しく重なり、物語を昇華させます。
痛く、美しい作品でした。

(お、気づいたら1年ぶり)BiSHワンマンファイナル@品川ステラボールに行ってきました。

どうも、1年ぶりです。
とはいえ、下の記事からすると、次のエントリになるので、それほど時間も離れてない感じがありますね。

日付の部分だけだ。
そこだけを気にしなければいいんだ。

ひとまず生存報告と言うことで。

この1年、いろいろありました。
個人的には特に変化がないのですが(オイ)、
いや、いろいろ書いたりやったりはしたのですが、
結果から言うと、3月にBiSHのライブに行ってきました。

BiSHは音源ではもちろん聞き込んだりしていましたが、
ライブとなるとどうも。
ハードルが上がっていて。
BiSロスというか、その反動でなかなかいけなかったのです。

だけど、一度くらいはちゃんとこの目で見ておきたい、と思って、オフィシャル先行に応募、当選、当日は予定もなし(というわけでもなかったのですが)
で、晴れて参戦してきました。

品川ステラボールに着いたのが開演後だったので物販は諦め、BiSTで参戦するも、今後はちゃんとした正装(BiSHT)で参加しようと改めて思いました。

ワンマンツアーのファイナルということで、ステラボールは満員。
客層は若い子たちからぼくよりずっと年上そうな方まで幅広く、この辺りはさすがジュンジュンの手腕といったところでしょうか。

あと、この日からリフトが禁止されていたので(リフトするとライブが中止)、BiSの現場で散々あったような、トーテムポールばりのリフトも、ダイバーも全くおらず、とてもピースフルな現場となっておりました。(モッシュ/サークルモッシュはそこここであった気もしますが、そこら辺は平和のうちに入りますね)

BiSHはなんと言っても楽曲がいい。それはライブでも再確認しました。
そしてメンバーのポジショニングも明確に出来ているんだなあという実感です。BiSの時は歌割を比較的均等に振っていましたが、BiSHはメインボーカル=アイナ・ジ・エンド、両翼にセントヒロ・チッチとハグ・ミィがいて、フック的にリンリンが抉ってくるという感じでしょうか。グループとしてのまとまりもとてもよくて、勢いも感じました。あとミリタリーの衣装もかわいいです。

6人の声質はとてもバランスがよくて、このままずぅーっと続いて、たくさん曲が聞きたいなあと思っておりますのでひとつ、よろしくお願いします。

楽曲では「スパーク」と「MONSTERS」、「BEAUTIFULさ」が特にお気に入りです。第1弾として「スパーク」が発表された時の衝撃は忘れられません。ミドルテンポのバラード。あえてこれを狼煙に持ってきたのは、BiSの解散から、なーんかぽっかりしてしまっていた僕の心にすぽっとキレイに入って行ったのでした。作詞が渡辺さんということで、ステイトメント的な文言になっているのもまたね。落ちサビ、アイナの寂れたボーカルが最高です。「MONSTERS」はメタルコアサウンドと歌詞の相性がすばらしすぎます。この歌はメンバーお披露目前に脱退してしまったユカコラブデラックスの作詞。元バンドボーカルだったとのことで、メロディーに乗せるセンスがめちゃめちゃ光っています。2ndアルバムにも入っているのですが、脱退後にも歌詞を変えずに載せたジュンジュンの判断も的確だったなあと思います。「BEAUTIFULさ」はメロディックパンクですね。めっちゃめちゃ青春です。リンリンの歌詞がこれまた曲調に上乗せされて青春濃度を倍加させています。

この辺りがライブで聞けたは最高でした。フリとか全く予習する暇もなく行ってしまったのですが、すごく楽しかったし、最後の「BiSH 星が瞬く夜に」を6回連奏するとかまた……。
ふと、東京デスロック「再生」が頭をよぎりました。
同じ曲、というのがミソで、6曲連続演奏は普通にあることだと思いますが、同じ曲でも、徐々にヘトヘトになっていくメンバーだったり、ある箇所で倒れかかったり、数曲目には復活してたり、気合いを入れ直したり、と、メンバーの身体や心の状態に対する移り変わりが見えて、非常に感動して、うっすら涙を浮かべるという。

ライブと言えば入場してビールくいっと行くところですが、この日は我慢し、帰りにBiSHTを買い(ライブTが増えすぎてもうTシャツとしては必要ないのに……)、特典会にならぶ清掃員を横目に帰りました。

今回は会場が広かったので、見つけられなかったけど、元研究員は見かけなかったなあ。さて、次回はいつ行けることやらです。

あ、箱押しです。